最近、未婚で子供もいない、いわゆる「おひとりさま」が増えています。
亡くなった方がいわゆる「おひとりさま」だった場合、その方の財産はどうなるのでしょうか。
まず、親が健在の場合は親が相続人になります。次に、親が既に亡くなっており兄弟姉妹がいる場合は、兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹が既に亡くなっている場合は、その兄弟姉妹の子、すなわち本人から見れば甥や姪が相続人となります。兄弟姉妹もおらず、甥や姪もいない場合は、相続人はいないということになります。なお、甥や姪はいるが既に亡くなっており、甥や姪の子が健在という場合については、甥や姪の子は相続人にはなりません。
相続人がいない場合、亡くなった方の財産は相続財産法人という法人格を取得します。そして相続財産管理人の管理の下、債務の弁済が行われ、その後残余財産は国庫に帰属することになります。
すなわち、相続人がいないおひとりさまの財産は、最終的には国に持っていかれることになるのです。
国にもっていかれるぐらいなら、誰か親しい人に渡したい、あるいは社会貢献のために使ってほしい、というのであれば、遺言書を残しておくという方法があります。
最近、自筆証書遺言保管制度という制度ができました。これは、自筆で作成した遺言書に形式的な不備がないかどうかを法務局でチェックしてもらった上で、その遺言書を法務局で保管してもらえる制度です。遺言書の保管手数料も3,900円とそれほど高くはありません。手間や費用のかかる公正証書遺言に較べ、遺言書を作成しやすくなったと言えます。